ベートーヴェン交響曲第7番の初演時の記録にあるコントラファゴットは何を吹いていたのか

スマホ向け:記事カテゴリ一覧を跳ばす

ベートーヴェンの交響曲第7番の初演時(1813年12月8日・ウィーンにて)の記録によると、2本のコントラファゴットが舞台上にはあったらしいが、何を吹かせていたのか。ある日私は海外の掲示板サイトでそう議論されているのを見かけた。

※ベートーヴェンの交響曲第7番の楽器編成にコントラファゴットは含まれていない。

仮説は3つ。

(1) 並ファゴの2パートをダブって演奏させていた。

(2) ベースラインの補強で入れた(コントラバスのアシスタント)。 

(3) 同時初演の《ウェリントンの勝利》でコントラファゴットが使われるので、その楽器が舞台に置きっぱなしだったのを見て記録者が勘違いした。

2についてはサー・チャールズ・マッケラスは「18世紀後期から19世紀初頭のオケは低音の音量とコントラバス奏者不足が課題だったので、ベースラインの補強としてコントラファゴットを追加したのではないか」と指摘したという話(出典不明)もあるそうで、2の説を支援している。

1813年の初演時、ウェリントンの勝利の同時初演があった関係で、弦楽器群が巨大(18-18-14-12-7)だった。そのため交響曲第7番も管はすべて倍管だった説もある。

しかしわずか3か月後(1814年2月27日・ウィーンにて)に行われた交響曲第8番の初演時に第7番も演奏され、その際も2本のコントラファゴットが舞台にはあったらしい。

サー・サイモン・ラトルはマッケランの説を支持して、ベーレンライター版スコアをベースにコントラファゴットをコントラバスのアシスタントとして追加している。この演奏はBPOのプロモーション映像にも映っている(配置はコントラバスとホルンの間)。

*この記事の学術的な裏付けは調査中です。