2019.8.7
演奏会の周知方法や一般的なゲームプレイヤーがいかにして「熱心なゲーム音楽ファンになるのか」について、以前こんな資料を作ったことがありますので公開します。(このファイル自体は2019年4月14日に公開したものです)
まず、コンサートの「告知」において、「コンサート開催情報」がどのような経路で観客に届くかを図式すると、次のようになると私は考えています「情報」を直接届けるのか、第3者の手を借りて間接的に届けるのかという点が大きな違いです。情報を記録する媒体という意味でも本来「チラシ」も「紙媒体」といえますが、この図における「媒体」は、第3者が運営する情報掲載/発信の場という意味で使っています。
資料のExcelファイル『アマチュア音楽家がコンサートを開催する際の広報・告知手段』
Download [PR+ADs_for_Amateur_Concert.xlsx] 39KB, last update 2019.4.15
図1 コンサート開催情報が観客に届くまで
情報伝達の方法(広報手段)を表でまとめると次のようになります。(下図)
表で使われる用語を解説します。
オフライン、オンライン インターネット経由で伝わるものを「オンライン」でまとめました。あえて区別してあるのは、オンラインでの告知は、インターネット利用率の低い中高〜高齢者層にはリーチしにくい手段という意味でもあります。あえて「オン・オフ」を区別するのは、それだけ日本のネット利用においてデバイド(格差)が生じていることも意味します。
広報(広報宣伝・PR)と広告 料金が発生するものを「広告(Advertising)」、広告掲載料の発生しないものを「広報(Public Relations)」として分類しました。広告は広告枠を買って掲載依頼するものなので、原則として必ず掲載されます。一方、広報は掲載可否の判断が媒体企業に一任されますので、必ず紹介してもらえるとは限りません。
リーチ先 その情報を届ける相手の「属性情報」を指します。その場所の利用者はどんな人(属性情報)なのか、という観点で情報を届けます。
表の中には記載しませんでしたが、コンサートの集客はマーケティングでいうところの「AIDMA」や「AISAS」モデルがほぼそのまま適用できます。これについてはまた別の機会に述べたいと思います。
施策の種別 | 施策 | 広報種別 | コンタクトポイント | リーチ先 | 費用の発生 |
オフライン | チラシ挟み込み | 広報 | コンサート会場 | そのコンサートの来場者 | チラシ印刷費・作業の人件費 |
チラシ配布 | 広報 | チラシ設置場所 | その場所に興味がある人 | チラシ印刷費・作業の人件費 | |
チラシ投函(ポスティング) | 広報 | 配布家庭 | 配布先の家庭の住人 | チラシ印刷費・作業の人件費 | |
ポスター掲示(会場) | 広報 | 掲示場所 | 本番会場に来た人 | ポスター印刷日・申請などの作業 | |
ポスター掲示(公共の場 e.g. 街角掲示板、自治体の掲示板) | 広報 | 掲示場所 | その公共の場を利用する人 | ポスター印刷日・申請などの作業 | |
ポスター掲示(営利(有料)の場 e.g. 駅、バス停、民間の場所) | 広告 | 掲示場所 | その営利空間を利用する人 | ポスター印刷日・掲示に掛かる費用 | |
広告 | 広告 | 新聞等紙媒体 | その媒体の読者 | 広告制作費・広告掲載費 | |
取材記事等掲載 | 広報 | 新聞等紙媒体 | その媒体の読者 | メディアへ働きかける人件費 | |
クチコミ | 広報 | 会話 | 発信者の友人知人 | コスト無し | |
オンライン | Webサイト | 広報 | リンクまたは検索でランディング | コンサートについて何らかの手段ですでに知った人 | サイト制作運営に掛かる費用 |
SNS(e.g. Twitter、facebook、instagram) | 広報 | 利用するそのSNS | そのSNSのユーザー | アカウント管理作業 | |
SNSの広告メニュー | 広告 | 利用するそのSNS | そのSNSのユーザー | 制作掲載費用・広告の申し込みや管理作業 | |
アドセンス | 広告 | 検索エンジン | その検索エンジンのユーザー | 制作掲載費用・広告の申し込みや管理作業 | |
バナー広告等 | 広告 | バナーを掲載するサイト | バナーを掲載するサイト | 制作掲載費用・広告の申し込みや管理作業 | |
プレスリリース | 広報 | メディア掲載 | その媒体の読者 | 制作の人件費・申し込み作業・有料配信業者を利用する場合はその費用 | |
両方 | メディアへの取材の呼びかけ | 広報 | メディア掲載 | その媒体の読者 | 広報作業の人件費・取材確定時の諸経費 |
一般的なゲームプレイヤー(ゲーマー)が、どのような経路で「ゲーム音楽ファン」というニッチな存在になっていくのかを考え、図式化してみました。
pptファイル『ゲーム音楽ファンはどのようにして生まれるのか――認知・関心・欲求・収集・伝播の5段階で考えてみた』
Download [Game_Music_Fan_is_born.pptx]38KB, last update 2019.8.6
凡例
ユーザーの心理変化|潜在市場
ユーザーの消費行動|顕在市場
ゲームを購入する
ゲームに音楽が流れていることに気づく
ゲーム中の音楽へ意識が向く
ゲームをプレイしながら、ゲーム中に流れる音楽を意識的に聴く
ゲームをプレイしながら、ゲーム中に流れる音楽に聞き入ってしまうようになる
ゲーム音楽を独立して鑑賞できるものと認識する
ゲーム中の音楽を収録しているサウンドトラックを購入する
多様なジャンルのゲームをプレイするなどで、ゲーム音楽の多様性に気づく
「ゲーム音楽」のコンポーザーへの関心が高まる
アレンジ/イメージアルバムなど、企画性や作家性が強い商品を購入する
「ゲーム音楽」を、一個の趣味・嗜好の対象と捉え、情報収集を強化する
ゲームを中心に、コンポーザーつながりで商品を購入する
ゲーム音楽コンサートなどに参加する
この「ゲーム音楽」の良さ・楽しさを共有したい
Webサイトやブログなどを始める/楽団などを主催・参加する