2019.3.30
(公式サイトより)
くるり岸田繁さんの交響曲第2番の東京初演@オペラシティを聴いた。前作の第1番は「音楽ワールドツアー」のような、いわば交響的管弦楽組曲のように感じたので、今回の2番はどんな感じの「旅」になるのかとワクワクした。
今回、コンサートの前半のテーマがすでに「世界音楽」だ。後半の交響曲はどうなるのかと思ったら、逆に、〝一箇所にいながら、巡る季節とか、心象風景の移り変わりとかを丁寧に、つぶさに見つめながら描いた感じ〟の構成になっており新鮮だった。世界の方が自分のまわりを回ってくれた感じとでもいおうか。
個人的には第1番4楽章の冒頭にあったチェロのオスティナートっぽい感じが一瞬だけ蘇った(第2番の)3楽章の序奏が特に印象的だった。4楽章は古典へのリスペクトとオリジナリティがみなぎりならがら混じりあっており、特にフィナーレは爽快だった。どこか懐かしく、そしてすべて新しい音楽の誕生だった。
また、ごく個人的な感想としては、交響曲の1番、2番ともに、おもわせぶりな「標題」が付いていないのもいい。
〈おわり〉
京響プレミアム(東京公演)
岸田繁「交響曲第二番」初演