Windows 10 Ver.1903にアップデートしたらWifiが不通になったので、対応出動した話

2019.9.8

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先日(2019.5.21)より配布開始されたWindows UpdateでWindows 10はVer.1903となりました。自動更新は順次行われているようですね。

つい数日前、私の取引先会社のマダムから連絡があり「パソコンが事務所のWifiにつながらなくなってしまった」とヘルプ要請があり対応に行きました。ここに、Windows 10 Ver.1903へのアップグレードに伴うWifiトラブルと、その対策メモを残しておきますので、同様の症状を体験した方は参考にしてください。

(以下、内容を簡潔に書くために「だ・である調」の文体で記述します)

経緯と症状

経緯 Windows Updateの自動更新でWindows 10 Version 1803から1903にアップデートした。

症状(現象) Wifiにつながらなくなった。

具体的には...
① Wifiのアイコンがタスク バーに表示されない。
②「ネットワークとインターネットの設定」の画面で「ネットワークの状態」が「未接続」となった。
③ Wifiルータおよびネットワークは正常に動作していることを確認済み。

対策

次の手順で確認と対策を進めた。

物理スイッチの誤操作の確認

① PC本体にある「Wifiのオン・オフを切り替えるスイッチ」を誤操作でオフにしてしまった可能性を疑い、まずそれを確認した。

メーカーによってはPCにWifiのオン・オフを切り替える物理スイッチが搭載されている。Wifiが突然オフになった場合は、まずこの物理スイッチの誤操作を確認する。今回のケースでは、取引先様が使っているPCは物理スイッチが搭載されている「NEC LaVie L」であったため、まずはスイッチの状態を確認した。(下図の左下側。本体前面についている「ワイヤレススイッチ」がそれである。)

結果:Wifiの物理スイッチはオンになっており、機械としてWifiを利用可能な状態になっていた。

図1 LaVie L ユーザーズマニュアルより

タスク バーの誤操作の確認

② ユーザーの誤操作によってタスク バーからアイコンの表示が消えたケースを疑い、それを確認した。ドラッグして隠されてしまった可能性もあるので、展開部分も確認する。(下図の画像はDELLの機種のものである)

図2, 3 Windows 10のタスクバーの右下部分

隠れているだけでなく、「非表示にしてしまった」可能性も確認するために、「設定」→「個人用設定」→「タスクバー」→「タスク バーに表示するアイコンを選択します」→アイコンの一覧を表示

結果:誤操作によるWifiアイコンの非表示ではなく、本当にネットワークのアイコンがなくなっていることがわかった。

③ 「Windows Updateの直後にこの症状になった」の点からWindows Updateによって不具合が生じたものと断定することにした。Web上で検索すると、同様の症状の報告例と改善例の先行事例にたどり着いたので、それを実施した。

参考リンク

具体的には次の通り。

Shiftキー+再起動

これで解決したという報告も見られるが、今回の当方のケースでは解決せず。

ネットワーク アダプタの再インストール

「設定」→「デバイス マネージャー」→「ネットワーク アダプタ」で警告マークが出ているアダプタを右クリックし「無効化/有効化」を行った。同様に解決せず。

図4, 5 デバイス マネージャーへのアクセス

次に、警告マークの付いているアダプタを右クリックし「アンインストール」を実施し、その後復旧。これは効果があり、Wifiが復旧した。今回の当方のケースでは、ネットワークから断絶されていてもネットワークアダプタの再インストールに支障はなかった。

図6 警告マーク

下のサンプルの画面は解決済み画面のために警告マークが表示されていないが、エラーが生じているデバイスのアイコンには、上記の警告マークが小さく付与されて表示されるので一眼でわかる。

図7, 8 デバイス マネージャーの操作

結果:効果あり。Wifiが復旧した。

しかし、PC自体を再起動すると、同じ症状に戻ってしまう再現性があることを確認。取引先の担当者に起動するたびにこの作業と再起動を求めるのは酷なので、第3の方法を模索することにした。

ダウングレード

④ Windows 10 Ver.1903から、1つ前のバージョン(1803)へのバージョンダウンを実施した。

これは当然、非推奨の対策といえる苦肉の策である。私は「PCは常にアップデートし、最善・最新の状態を保つべきである」と考えている。一方で、「PCは道具に過ぎず、仕事(ビジネス)の継続性と効率性が優先されるべきである。ユーザーにとっての使いやすさも尊重されなければならない」とも考えている。その取引先のPCを責任持って自分が日頃メンテナンスできるわけではないので、ユーザーのリテラシーも考慮し、思い切ってバージョン(ビルド)を1803に「戻す」作業の実施を決断した。手順は次の通り。

なお、更新から10日が経過すると「前のバージョンのWindows 10に戻す」機能は使用不可となるようだ。

手順 「Windowsの設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」→「前のバージョンのWindows 10に戻す」

参考リンク

どの程度の時間がかかるかはPCによって異なると思うが、今回の私のケースでは処理時間は10~15分ほどだった。その後、動作を確認したところWifiの問題は解消した。また、他の業務用ソフトの動作にも試した範囲では影響がないと判断できた。

バージョンを戻したこととの因果関係は不明だが、次のような症状が発生したので併せて報告する。

メールアプリの英語表示化トラブル

日本語表示で使っていた「Mail(メールアプリ)」が英語表記になった。メールアプリの内部では、言語表示を切り替える機能は用意されていないため、下記のページを参考にダウンロードしなおした。これによって、表示の日本語化が戻った。メールデータに欠損は特になかった。

参考リンク

〈おわり〉