初版 [1年使っての感想] 2017.11.18
追記 [6年使っての感想] 2022.3.5
ブッテーロレザー 色:キャメル
非常に良い。今後も使い続けるだろう。下の写真は購入時と1年3ヶ月後の革の様子。撮影時間帯と季節が違うのでよい比較ではないが、革のエイジング具合はおわかりいただけると思う。
左:購入時の様子(2016年8月)右:1年3ヶ月経過時(2017年11月)
これら条件を満たす財布としてabrAsus「薄い財布」に長いこと着目しており、2016年8月に購入。
小銭の収納にはクセがある。受け取った釣り銭の小銭をレジ前でさっとしまうには慣れが必要。とはいえ慣れてしまった現在は意識することなく行えている。
カード収納パーツにストッパー等はないので、適切な枚数を入れないと滑り落ちてしまう危険性があるので注意が必要。
カード収納パーツからのカードの取り出しについては、やや取り出しにくい場合がある。指先で押し出す形であるが、目的のカード単体をスッと出すことはあまりない。ただし元々も収納枚数が少ないので、迷うことはない。せいぜい1、2秒程度である。今では慣れてしまい意識せず出せているのでストレスを感じるほどではない。
私は多数の紙幣を持ち歩かない生活をしているので、財布がパンパンになったことはない。また、買い物の際には小銭を優先的に消費するようにしているので、小銭が入り切らなくて困ったこともほとんどない。ごくまれに釣り銭が入りきらない場合もあるが、そうした際は釣り銭をズボンのチェンジポケットに一時的に退避させておき、落ち着いた場所で整理して入れ直すようにしている。整理すればたいていの場合は入りきる。
小銭を並べ替えておき、取り出しやすくしておく習慣が確実に身についた。小銭をコインケースに入れてジャラジャラとさせていた頃よりも、会計時の小銭を出すスピードはアップしたように感じる。以前から小銭を並べておくことはに日常的に行っていたが、「薄い財布」を使うようになってからは徹底するようになった。小銭入れ部分の底が浅いので、パッと見で作業しやすく、ハードルが下がったためだと思う。公式サイトには小銭を999円分収納可能としているが、当然、500円玉や100円玉がたくさん入っていても問題ない。
私が入れているカードは定期券の交通系ICカード、免許証、保険証、クレジットカード、カフェ(ドトール)のポイントカードの5枚。
ポイントカードなどの類は基本的に家族で共有しているので普段は持ち歩かず、「その店に行く」とわかっているときに持って出る。その際はカード収納パーツには入れず、カード収納パーツの裏側の紙幣のスペースに入れる。取り出し安いので問題ない。主に病院の診察券や図書館のカードなどは普段は自宅に置いておき、使うときに持ち出すようにしている。
カード収納パーツの裏側には数枚程度のカードを収納できる。カード収納パーツに入れてあるよりも取り出しやすいと思う。使用頻度の高いポイントカードなどはこちらに入れる方が使いやすいだろう。
たとえば私もドトールのプリペイドのキャッシュ機能付きポイントカードは常備している。待ち時間をドトールで過ごして仕事を進めたりするようなケースは突発的に発生するからだ。
非常に良い。自分の要望を満たせるこれ以上の財布はないだろう。
革は購入当初の黄味がかった明るい色から、今ではすっかり飴色のつやと光沢のある焦茶色となった。この状態になるまでにおよそ半年から1年。革のエイジングは気づいた頃に成されているものである。
革製品としての堅牢性も申し分ない。私は物の扱いはわりと雑というか、やや乱暴な部分があるが、日常的に使用していてもダメージを受けるようなことはない。ただし、ブッテーロレザーは表面にビニール加工やガラス加工がないので、爪でひっかりたりすると跡になる。それは革製品を扱う上での注意点になるが、私は手帳や鞄も防御的な表面加工のない製品を好んで使っているので問題ない。(それでもときどき、うっかり爪をひっかけでしまうこともあるが、革のの自然回復力で徐々に目立たなくなっていく。(跡が消えるわけではない))
この革財布をかなり気に入っているので、仮に破損・紛失等の事態に遭遇したとしても、再購入すると思う。
2022.3.5
薄い財布を使い始めて約6年が経った。不満なく、薄い財布を使い続けている。この6年間の間に、「レジ袋有料化」「コロナ禍」など社会的に大きな変化もあった。この財布に厳選したグッズを入れることで、身の回りの手荷物をさらに減らす工夫をしている。
薄い財布を使う上では、小銭をこまめに整理しておくことが使い勝手をより良くする。買い物直後は仕方がないが、店を出た直後や帰宅直後などに、小銭を整理する習慣がつく。
日本の硬貨には2つの外型的特徴がある。500円玉は大きくて嵩張る。100円玉と50円玉は真横から見ると区別がつきにくい。そこで硬貨の並べ方について、私には次のパターンが定着した。
左から順に、100円玉→500円玉→10円玉→50円玉→1円玉→5円玉。
小銭の並べ方
500円玉から1円玉へと、段階的に額面を落としていく方が論理的に感じるかもしれない。私も最初はそうしていた。だがこの並べ方を続けていると、500円玉が複数枚入ると小銭入れの左端の縫い目に高い負荷がかかってしまう。右へ行くほどスカスカになる傾斜がつき、革が歪んでくる。利用頻度の高い100円が左端、10円が中央にくることで、革にかかる負担が均等になり、バランスがよくなる。
500円玉によって、かぶさる部分が摩擦で削れてしまってきているが、こればかりは仕方がないだろう。しかし革は二重になっているので、穴が空いて硬貨が飛び出すようなことは起こりそうにない。もし貫通してしまったら、そのときは修理を考える。
札入れのスペースは、工夫次第で色々なものを収容できる。
札入れの上側(鍵ポケット側)の紙幣の後ろには、交通系ICカードを挟んでいる。滑り落ちることはない。ICカードは頻繁に取り出すものではないので、紙幣の後ろに鎮座していれば十分だ。
札入れの下側(カードポケット側)は意外と収容能力が高い。最近は以下のようなものを入れている。
現金やカード以外のアイテム。付箋、レジ袋、メモカード、ペグシル(鉛筆)
1|カードのポケットに入り切らないカード
ショップカードや会員カードの中には、パウチされていて通常のカードサイズよりも大きくなってしまっているものがある。そうしたカードはカードポケットに入らないので、自ずと札入れの側が定位置となる。また、利用頻度や重要度の低いポイントカードなどもここで十分。といってもせいぜい1〜2枚しか入れない。
2|折りたたんだレジ袋(ビニール袋)
たまたま薄手の素材の袋が手に入ったので入れている。しっかり空気を抜いて畳めば厚くはならない。エコバッグを持たずに買い物にきてしまったとき、レジ袋を購入するのが悔しい気がする。しかしこの財布に忍ばせた袋がバックアップとして機能するので嬉しい。
3|付箋(ポストイット)
一般的な正方形のもの。ポストイットはカード入れ部分にも小さいものを数枚貼り付けている。いつでもメモができる点で最強だ。メモを大量に取ることはできないが、咄嗟のメモで役立つ。ポストイットの枚数は4〜5枚もあれば十分だ。
4|ToDoリスト、買い物メモ
ToDoリストや買い物メモとして使っているカード用紙や情報カード。ToDoリストはスマートフォンで管理できるが、カードに手書きするのも効果的だと感じる。日用品の買い出しなどにいくときのメモも当然ここに入れる。スマートフォンだけで完結させる手はもちろんあるから、これは好みの差だろう。
我が家では必要な日用品に気づくと、冷蔵庫にマグネットで貼ったメモ用紙に「次の買い出しの時に買うもの」を書き込んでいる。買い出しに行くときは、その紙だけ持って出ればよい。もちろんスマホで写真に撮ってもいいが、紙をそのまま持ち出す方が私はラクだと思っている。
5|ペグシル
ペグシルをご存じだろうか? ゴルフでスコアをメモしたり、コンサートなどのアンケート用紙と一緒に配布されたりしている、クリップ付きの鉛筆のことだ。数ある筆記具の中でも、最軽量・最小最短の筆記具は何かと聞かれたら、私はペグシルだと答える。薄い財布に入れる場合はクリップ部分がはみ出すので、ハサミで切り落とし、鉛筆部分だけを使っている。
普段はペンを持ち歩くようにしているが、それでもいざというときにペンがないときもある。そのような場面でメモする必要が生じたときに利用するバックアップ筆記具だ。咄嗟に書ければそれで十分というときの強い味方。
小銭入れのポケット部分は開閉の回数が多く、小銭が増えてパンパンになると財布への負荷が高くなる部分だ。入り切らない小銭は、財布に押し込むことを諦めて一時的にポケットに直接入れるなどしているが、それでもなるべく財布に入れ切ろうとしてしまうことも少なくない。
小銭入れの両端の縫い目の糸が徐々にほつれてきたのはその頃だ。使い始めて3年目。しばらく様子を見ていたが、思い切って修理(リペア)を依頼した。
リペア依頼時の記載内容は以下の通り。まずは「見積もりの依頼」のやり取りで連絡した項目。
・当方の氏名や連絡先
・当該商品名や購入年月日と購入店
・修理箇所の詳細(写真を添付)
こちらの提示した情報をもとに「仮見積もり」の連絡を受け、その後、品物を送付した。糸のほつれのほか、ホックの劣化が確認されたので交換の提案もいただいた。
今回の私のケースでは、糸のほつれの修理は1620円。ホック交換を行う場合は540円追加。送料は540円。修理期間は7営業日だった。金額はダメージの度合いによって変化するだろうし、納期は修理工房の混み具合や時期によって前後するだろう。なので参考例としてほしい。支払いは銀行振込で行なった。
2週間弱、薄い財布が手元にないのはライフスタイルが変わってしまうため少し不安になるが、なんとか他の財布を使ってしのぐ。
戻ってきた薄い財布はツヤツヤになり、まだまだ末長く使えそうなエネルギーが充填されてきたように感じた。やはり革製品は日々のメンテナンスと、ときには〝入院〟を厭わないリペアによって、長く使うべきだと再認識した次第である。
左:修理箇所 右:修理後
〈おわり〉