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ダンジョン飯の方向性とテーマについての考察

© Ryoko Kui 2018

『ダンジョン飯』6巻を読みました。異色グルメ漫画として登場した本作ですが、深層のテーマが「生と死」であることはもはや明らか。食い道楽ファンタジーではなく「いのち」の物語になってきた。現代人は自分たちも食物連鎖と生態系に連なる存在であることを忘れがちなことに気づく。メメントモリ。


イヅツミちゃんの名前についての考察

© Ryoko Kui 2018

イヅツミちゃんの通り名である「アセビ」は「あしび(馬酔木)」。シュロー取り巻きはマイヅル(舞鶴天南星)、イヌタデ、ベニチドリ、ヒエン(=デルフィニウム)というように、植物の名前を通り名に使っている。

あせびの花

ダンジョン飯6巻で主人公パーティに加入した半妖の猫娘忍者の名前「イヅツミ」は興味深いネーミングだ。由来を日本の神名の構成に強引に当てはめるとイヅは「出る」、ツは上下の語を繋ぐ格助詞、ミは神格を示す接尾辞で女性。「何かを出現させる女神」と解釈できる。鬼が出るか蛇が出るか。両方か。

また、「ミ」は、「キ(またはギ)」と対をなす(イザナギ・イザナミのように)。したがって、イヅツミの分離が成功した場合、人間女性のイヅツミと、オス猫のイリツミに分離されるのではなかろうか。イリ(入(い)る)は、イヅ(出(い)づ)と対をなす。

神名の構成

その神の能力や性格を表す語
 +
上の語と下の語をつなぐ格助詞
(ノ・ツ・ナ)
 +
その神の神格を示す接尾辞
 ヒコ・ヒメ
 ヲ・メ
 キ(ギ)・ミ
 ヒ(霊力を示す接尾辞)
 チ
※ヒコ・ヒメ、ヲ・メ、キ・ミは雌雄を示す対の語

また接頭辞「オホ」がある場合、それは「偉大な」を意味する

あるいはイヅツミの「イヅ」が本来「イツ」で「イツツミ」だったが、1つめのツが濁って「イヅツミ」となったとも考えられる。この場合、「イツ」は数字の五を表すので、パーティの五人目のメンバーであることを暗示しているとこじつけることもできる。

シュローパーティのメンバーは、いずれも植物の名前が「通り名」となっている。それぞれの花言葉を整理してみると、次の通り。

マイヅル(舞鶴天南星)「あるがまま」
アセビ(馬酔木)「犠牲」「献身」「あなたと二人で旅をしましょう」
イヌタデ(犬蓼)「あなたの役に立ちたい」
ヒエン(大飛燕草)「清明」「高貴」
ベニチドリ(紅千鳥)「忠義」「高潔」

アセビの花言葉「あなたと二人で旅をしましょう」は、ひょっとしたら彼女がケモノと人間を混ぜたキャラクターであることの伏線かも。

以上、イヅツミちゃんの名前に関する考察おわり。