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notes for thinking―考えるための備忘録

著名な作家と、研究すると面白い作家は必ずしも一致しない

作家を偉人化、神聖化するとらえかたは、作家という書き手の内側で作品の価値をすべて説明できる、という考え方を生み出しかねません。
しかし言うまでもなく作品の価値を生み出すのは作家のみではありません。本の作り手、広報の仕方、売り方、教え方、さらにはそれを読む読者を取り巻く経済、政治状況によって、作品の読み方や評価は生まれ、変わっていきます。ですから、純粋に作家の中、あるいは小説の中だけをいくら深掘りしても、小説が実際に果たす役割は見えてきません。

――和田敦彦 著名な作家と、研究すると面白い作家は必ずしも一致しない〜榛葉英治を論じる『職業作家の生活と出版環境 日記資料から研究方法を拓く』について

2022.9.3
#それはそうですね

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