notes for thinking―考えるための備忘録
「マイカーがあり、液晶テレビも持っており、ネット環境もある……それなのに貧困と言えるのか?」
答えはYES。
大学教育、医療、チャイルドケアなどのコストは上昇しました。貧困から抜け出すために必要なサービスです。だからそれらが高すぎて受けられない家庭は、永久に貧困から抜け出せない。
恵まれない家庭に生まれても、本人の才覚と努力で克服できる……このような経済的移動可能性(economic mobility)をちゃんと保証することは、アメリカ流民主主義の根幹にかかわる問題です。もしそれが失われると、階級制度(class system)になってしまいます。
大学の授業料が高すぎて、子供を大学に行かすことが出来ないという問題が、個人の能力や努力に応じて上がって行けることを前提にした、アメリカ社会のシステムそのものを蝕み、アメリカが腐り始める原因になりかねない。
「大学へ進学するかどうか? という問題が、経済的移動可能性を決める最大の要因となっていて、貧困層出身者でも大学へ行けば上の階層に上がれる可能性はすごく高まる。逆に親が裕福でも自分が大学に行かなければ、富を失うのは早い」
――サンフランシスコ連銀 メアリー・デイリー調査部次長
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