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notes for thinking―考えるための備忘録

ハッスルカルチャー

過剰に働くことが、他人から尊敬され、自分自身を成長させる最善の方法だとする考え方。ハッスル(Hustle)=英語「ゴリ押し」や「強引な金儲け」。
「頑張り」や「張り切る」といった日本での意味とはかなり異なる。努力は必要だが、自分の時間がなくなるまで仕事をするのは危険。常にハッスルしていると燃え尽き症候群になる可能性があり、健康に悪影響を及ぼす。

『疲労社会(Müdigkeitsgesellschaft)』(2010) 韓国生まれのドイツの哲学者、ビョンチョル・ハン(Byung-Chul Han, 1959-)
ハンは、新自由主義が植え付けた「達成主義」にもとづく心理的統制であると指摘。

・何かを達成すると、さらに次の達成をめざさせる。
・「透明性」を強力に推進する社会とハイパー消費主義、過剰な情報処理や過労にさえポジティブに取り組む人々の蔓延が、社会を疲弊させる要因。
・現代の自由は、しばしば自主的な「強制」に変わる病的なシグナルである。
・自由な個人は率先して自らを不自由に追い込む。死に至るまで自分を最適化することに明け暮れる。
・自分が自由であると信じているが、実際には自身による奴隷化。支配者がいなくても自発的に自分を搾取する。自由の奴隷。
・露骨な制限や監視に頼るより、自由こそが効率的な支配のメカニズムである。
・自ら率先してソーシャルメディアにプライバシーデータを提供し、自身をIT企業の利益の奴隷にする自己搾取こそ、他者による支配や搾取よりも効率的である。
・SNSでの自己生産、つまり自我の継続的な「展示」こそ、私たちを疲れさせ、憂鬱にさせる。
・根本的な疲れは、究極的には自我の疲れに至る。

2022.3.5
#今日知ったコト
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