notes for thinking―考えるための備忘録
・科学のニュースを正しく理解するためには、ソースとなった論文を読むことが最良の方法
・本来は科学者が大学院で学ぶスキルが求められる「論文の読み方」を素人が身につけるには、何よりも「忍耐」と「実践」が不可欠
00:大前提
・論文を読み始める前に、著者と所属する研究機関を書き留める
・掲載されている科学誌に注意を払う=論文の信頼性に影響を与える
・論文を読み進める間、理解していないすべての語句を書き留める=語句の理解なしに論文の理解なし
01:「Intoduction(導入)」から読み、「Abstract(要約)」は読まない
・一般人のほとんどは「abstractしか読まない」ことになりがち
・abstractは最後に読むべきと述べています=abstractには筆者(研究者)の結果への考察が含まれており、ここには少なからずバイアスがかかっている
・事実をベースにすべき科学研究では、abstractを読むのは最後
02:「大きな疑問」をはっきりさせる
・頭に置くべきは「(この研究が)解決しようと試みている『疑問』とは何なのか?」
・頭に置くべきは「この論文は何について書かれたものなのか?」ではない
・このことを念頭に置くことで、なぜこの研究が行われたのかに焦点を当てることができ、証拠を注意深く見ることができる
03:研究の背景を5行以内でまとめる
・大きな疑問を抱いた後は、研究の背景を5行以内という簡潔な内容にまとめる作業をするべき
・読者としての立場で研究背景を要約する=研究の文脈について考えられるようになる
・研究について正しく理解する=研究がなぜ行われたのかを説明できる必要がある
04:具体的な疑問を特定する
・研究者が論文で答えようとしている疑問が何かを考えるべき(1つ or 複数)
・筆者の回答しようとしている問いを、すべて紙の上に書き出す
・仮に、著者が帰無仮説を立てているならば、それを明確にする必要があります(「帰無仮説を棄却する」=「帰無仮説を考えると矛盾がたくさんあったので、間違いだったとする」→対立仮説を採用する)
05:アプローチを特定する
・具体的な疑問に答えるために、筆者が何をしようとしているのかを特定する
06:各実験の関連図を書き、筆者が採った方法を図示する
・実験などの研究アプローチの関連性を図示する
・理解を完全にするためには、必要十分なほど詳しい内容を書き込む
・基本的なメソッドについて他人に説明できるレベルになるまでは、手順7の「結果」に進む準備がまだできていない
07:「Result(結果)」セクションを読む
・良質な論文=結果の大部分が図表でまとめられていることがある
・図表には特に注意を払うべき
・「significant」や「non-significant」という文言には統計的な意味がある
・グラフのエラーバーの意味を理解しておく
・信頼区間のないグラフは要注意であり、サンプルサイズがどれくらいであるかも実験の信頼性を推し量る上で重要になるとのこと。
*Confidence interval (信頼区間):95%信頼区間とは、仮に100回試験をした場合、100回中5回くらいは真値を含まないことがある、ということを意味する。調査結果の精度を知るための統計科学的な推測法。
08:「結果」がテーマとなる疑問に答えているかを考える
・「研究結果がどのような意味を持つのか?」読者自身が考える
・「研究テーマとなる疑問に対して、研究の結果が正しく答えているか?」読者自身が考える
・筆者の解釈を読んでから自身の考えを変更するのは全然構わない
・他人の見解を読む前に、まず自分で結果から得られる意味を考えることは非常に良い
09:「Conclusion(結論)」「Discussion(議論)」「Interpretation(解釈)」のセクションを読む
・筆者が結果をどのように解釈しているのかを検証する
・それに同意できるかを考える
・筆者は「研究の『弱点』を明確にしているか?」「見逃していることはないか?」「代替的な解釈は不可能か?」を検討すべき
・研究者に間違いがないと仮定してはいけないと述べています。
10:要約を読む
・初めてabstract(要約)を読む
・論文で述べている内容と要約が一致しているかをチェック
11:他の研究者は論文について何を言っているか?
・論文をすべて読み終えた後で忘れてはいけない作業として、「他の研究者がその論文に対してどのような評価を下しているか?」を調べる
・この時点では「Google検索」は解禁される
・手順10までを守っていれば、Google検索で表示される他の研究者の見解に対してさえ、批判的に見つめる準備が整う
https://gigazine.net/news/20170629-how-to-read-scientific-paper/ より
2022.9.11
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